番組制作と放送のルール

番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2019年1月21日(月)開催 / 第623回番組審議会より
「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」12月30日放送分について

議題

(1)審議事項
 1)「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」12月30日放送分について
 2)その他
(2)報告事項
 1)12月2日放送の「消えた天才」について
 2)「水曜日のダウンタウン」に関連して行った「としまえん」でのイベントについて
(3)事務局報告事項
 1)視聴者からの声について
 2)次回審議会の議題及び日程について

出席者(敬称略)

委員長音好宏 
副委員長中江有里 
委員石田衣良 尾縣貢 萱野稔人 喜田村洋一 佐藤智恵 水無田気流 
田渕久美子(レポート提出) (藤原帰一 委員欠席) 

局側出席者

 TBSテレビ

 佐々木社長

 國分常務取締役

 伊佐野取締役

 合田編成局長

 本田報道局長

 田代スポーツ局長

 菊野スポーツ局スポーツ番組制作部長

 後藤プロデューサー

 藤田編成考査局長

 鈴木編成考査局視聴者サービス部長

 岩村番組審議会事務局長

委員の主な意見(「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」について)

◇今は企業でも、50代での退職勧奨などがあり、いわば戦力外通告を受ける人がふえている。日本企業ではクビになったら終わりだと思ってしまいがちだが、彼らを見ていると、クビになっても何とかなる、次の人生があるというのがすごくわかり、この番組で勇気をもらった人がたくさんいるのではないか。

◇少し予定調和になりつつあるように感じた。夢を諦めない少年のような元プロ野球選手と、それを支える良妻賢母で献身的な美人妻ばかり。この組み合わせは確かに鉄板だが、女性から見ると、ステレオタイプ過ぎないかと思う。「こんなに安い給料じゃ別れます」と言う女性がいてもいいと思うし、いろんな妻のパターンがあっても面白いのではないか。

◇プロ野球の世界は、どうしてもトップ選手の活躍ばかりが注目されて、いかに努力を重ねても、そこまで達成できなかった人間がいるということがなかなか見えにくい。そこに焦点を当てることで、その世界の厳しさを浮かび上がらせる手法は、非常に説得力がある。

◇妻や子どもや婚約者の存在を表に出した構成が心にしみた。好きな野球だが、1人で生きているわけではなく、守るべきものがあるという葛藤がよく伝わった。

◇人生100年時代と言われるようになり、セカンドキャリアは多くの人にとって切実な問題になってきている。戦力外通告の後のセカンドキャリアをどうするのかというこの問いは、普遍的なテーマになり得るのではないか。

◇意外とフラットで、少し単眼だと感じた。プロ野球選手には退職金がないことや年金のこと、そして再就職に対する大きい壁など、選手をめぐる構造的な問題をもう少し紹介するとよかったのではないか。そのあたりに触れると、野球の世界を離れて別な世界で生きていくつらさ、切なさ、厳しさが、もっと浮き彫りになったと思う。

◇家庭の中にまでカメラが入り、ディテールを丁寧に取材しているのが効果的だった。電話を待つときの3人の表情などは、俳優がやったのでは絶対に撮れない、引きつけられる強さがあり、本当に息をのむものがあった。こうしたものが撮れたのも、撮影スタッフが本人や家族の信頼を得ているからこそだと思う。

TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。
(TBSテレビ番組審議会事務局)