番組制作と放送のルール

番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2019年9月9日(月)開催 / 第630回番組審議会より
「news23」8月15日(木)放送分について

議題

(1)審議事項
 1)「news23」8月15日(木)放送分について
 2)その他
(2)報告事項
 1)「消えた天才」について
 2)2019年度下期の編成方針
(3)事務局報告事項
 1)視聴者からの声について
 2)次回審議会の議題及び日程について

出席者(敬称略)

委員長音好宏 
副委員長中江有里 
委員石田衣良 江澤佐知子 尾縣貢 萱野稔人 喜田村洋一 佐藤智恵 水無田気流 
(藤原帰一 レポート提出) 

局側出席者

 TBSテレビ

 佐々木社長

 國分常務取締役

 伊佐野取締役

 合田編成局長

 本田報道局長

 米田制作プロデューサー

 立山ディレクター

 中山編成考査局長

 鈴木編成考査局視聴者サービス部長

 岩村番組審議会事務局長

委員の主な意見(「news23」について)

◇アンカーの星さんは非常に紳士的で、好感が持て、的確な発言をされるという印象があるが、時には強い主張があってもよいのではないか。

◇夜の報道番組の多くでキャスターが若い女性にかわってしまった。その人たちは皆、アナウンスや進行の技術は大変に高いが、政治的な意見、自分なりの立場や意見を出していくことに関しては、ほぼ全く機能せず、進行だけちゃんとやりますよという感じになってしまっている。

◇新海誠監督のアニメで始まるところで、アニメーションというサブカルチャーが、ニュース報道という、ある意味でのメインストリームカルチャーの表を飾るようになったという時代の趨勢を感じた。

◇男女そろってキャスターが話すようになったのは81年頃からだそうだが、時間にして大体74%のニュースを男性キャスターが話していたという。今回メインもサブも女性キャスター、しかもゲストも綾瀬さんで、ざっと計算すると、おおむね75%は女性が話しているという画期的な割合だった。

◇綾瀬はるかさんとシベリア抑留というのは、冒頭、何かミスマッチだなと思ったが、彼女の素直に物を見ようとする気持や、戦争から遠い世代でありながら、戦争を理解しようとする心構えは非常に評価できるものだった。

◇シベリア抑留のような戦争の記憶を語ることは意義深いが、反面、その政治的な背景や、戦後の捕虜虐待という国際法違反について日本がなぜ主張できなかったのかなど、もう少し踏み込んで、戦争というものを客観的に総括することができなかったのか。

◇「戦争はよくない、悲惨だ」という一般論に行くよりも、シベリア抑留という個別の事象における問題性を深く追求する方が、視聴者の考えるきっかけになったのではないか。

◇日本国民ではない戦争犠牲者の話を綾瀬さんが聞くという企画は可能だろうか。「日本国民にこのような犠牲を強いた戦争をまた起こしてはならない」というメッセージは、その主体を日本国籍や民族に限定する必然性があるわけではなく、中国やフィリピン、インドネシアにおける戦争経験を伝えることと広島・長崎・沖縄の犠牲を語ることとの間に矛盾があるわけでもない。ご検討いただきたい。

*TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。 (TBSテレビ番組審議会事務局)