番組制作と放送のルール

番組審議会議事録

このページはTBSの番組や放送のありかたを考えるページです。
番組審議会の審議内容を中心に紹介し、皆様からの意見も募集しています。


2019年12月16日(月)開催 / 第633回番組審議会より
今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について

議題

(1)審議事項
 1)今年のTBSの番組全般及び放送界の動向について
  特定の番組を対象とせず、TBSの番組やテレビ界の現状に関して幅広く審議を行った。
 2)その他
(2)事務局報告事項
 1)視聴者からの声について
 2)次回審議会の議題・日程及び2020年度の日程

出席者(敬称略)

委員長音好宏 
副委員長中江有里 
委員石田衣良 江澤佐知子 萱野稔人 喜田村洋一 佐藤智恵 水無田気流 
(レポート提出 尾縣貢 藤原帰一) 

局側出席者

 TBSテレビ

 佐々木社長

 國分常務取締役

 伊佐野取締役

 合田編成局長

 本田報道局長

 新名スポーツ局長

 志賀情報制作局長

 海本制作局長

 中山編成考査局長

 鈴木編成考査局視聴者サービス部長

 岩村番組審議会事務局長

委員の主な意見(今年印象に残ったTBSの番組)

◇「日曜劇場 ノーサイド・ゲーム」
 今年のラグビーブームの盛り上げに一役買ったことは確かである。放送終了後も、他局を含めラグビーを話題に取り上げる際に、「ノーサイド・ゲーム」の主題歌がしばしば用いられていた。テレビには、時代のムーブメントを作る力がまだまだあることを、改めて見せつけることになった。

◇「わたし、定時で帰ります。」など
 「わたし、定時で帰ります。」、「凪のお暇」、「G線上のあなたと私」といった、身の回りにある現代社会の生きづらさを注意深く拾い上げ、ドラマ化した作品に好感を持った。「ドラマのTBS」らしい質の高いドラマだったと思う。

◇「災害報道」
 災害の多い年であったが、関東を直撃した台風15号の際、南千葉の報道が大きく遅れたことを反省し、その直後の19号の時には、その教訓を活かし(他局に比べても)手厚い報道をしていた。特に井上アナの被災地の視聴者に強く語りかける姿勢は、災害報道のあり方を考える上でも、よい試みであった。

◇「報道特集」(5月4日放送分)
 大正天皇の女官の証言テープを見つけ出し、今回の代替わりの背景にある天皇家の経験を探り出そうとしたレポートは、新天皇の即位に湧く放送が多いなかで骨太の同番組らしい特集だった。

◇「まるっと!サタデー」
 他番組のテレビコメンテーターの言葉を番組内で引用するという方法を「斬新」というか「お手軽」というかは人によるだろうが、前番組の「サタデージャーナル」の攻めた姿勢とは反対で、「ニュース23」で存在感を示した駒田キャスターの無駄使いのように思える。

◇「平成ニュース総決算!」
 忘れていた平成の事件をいくつも想起でき、平成という時代に社会が実は大きく変わったことを実感できた。映像をつうじて報道することの意義(それは同時にテレビそのものの意義にも直結するが)をあらためて実感した。

委員の主な意見(TBSテレビの番組全般について)

◇「消えた天才」「クレイジージャーニー」と続けざまに不適切な演出が発覚したことに関しては、社内でも検証が行われていると思うが、続けて起きたことは偶然とは思えない。おそらくテレビ全般に起きているのではないか。面白さは時に毒で、強烈な毒がほんの少し入ることで面白さが増すが、その匙加減を間違えてはならない。

◇複数の番組がBPOで審議入りしたのは残念だった。よい番組は、そのよいところが、時の経過とともに、番組を縛り、固定的にとらえられたその「よさ」を出さなければいけないという制約になってしまったのではないか。

◇報道番組では、真実を伝えようとする努力が内容やコメントに表れている。一党独裁に近い今日、ストップをかけられるのはメディアである。国民は、メディアの発信により、自分の意見を固めたり確信することができるので、この姿勢を堅持してもらいたい。

◇TBSの特長は、革新性と上品さにあると考えている。このふたつの基準のどちらかを満たす番組作りに今後も期待する。その番組のつくりや企画は①新しさをもっているか、②大人が納得して見られる上品さがあるか。このどちらかを大切に番組作りにはげんでもらいたい。

◇社会情報系番組で、専門的な知識や発言を裏打ちするデータ等を持ち合わせないにもかかわらず、印象風なコメントをするコメンテーターが増えてきている。制作現場の真摯、かつ、冷静な物作りの姿勢を示していただきたい。

*TBSでは番組審議会委員のご意見を真摯に受け止め、今後の番組内容の向上に活かしていく所存です。 (TBSテレビ番組審議会事務局)